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PBP攻略のためのToDoリスト
フランス入り後の過ごし方のポイントについてです。
大会当年: フランス入り後
フランス入り後は、疲労・睡眠負債・ストレスを貯めないことが大切。
飛行機移動だけでかなりの体力を使っているので、その回復を最重要視してください。しっかり食べて、しっかり寝ましょう。
スタート時点で国内ブルベの8~9割位の体調まで回復していれば、スタート後も有利にコトを進められるはずです。
時差ボケを抜く
海外ライドにおいては「時差ボケを抜いた方がいい」派と、「時差ボケを抜かなくてもいい」派の人がいますが、私は「抜いた方がいい」派です。
時差ボケが残っていると、走行中の変な時間に予定外の眠気がやってきたりします。
「眠くなったらその時に5分だけでも路肩で寝ればよいのでは」という考えもあると思います。ただ、私の考えでは「コンスタントにまとまった睡眠を取る」のが良いので、不意の眠気は全力で避けます。
時差ボケの抜き方は人それぞれなので詳しくは述べませんが、私は以下の点を心がけていました。
- 4日前に早めにフランス入り
- 現地時間に合わせて睡眠・起床
- 昼間はなるべく外に出て日光を浴びる(体内時計の補正効果を期待)
その効果か、スタート時点ではすっかり現地時間に順応していました。
なお、帰国の時は結構無茶な日程で帰ったので、一週間くらい時差ボケを引きずりました。
体力の温存を優先する
普通の人はなかなか訪れる機会のないフランス。折角の機会ということで「エッフェル塔!凱旋門!モンサンミッシェル!」と観光モードになりがちですが、ちょっと待ってください。
先に述べたように、飛行機移動+現地のホテルまでの移動だけでかなり疲れます。その状態でガッツリ観光をしてしまうとスタート時点で既に体力ゲージは0……みたいなことになりかねません。「足慣らし」と称して100km以上を走ってしまうのも避けたほうが良いと思います。どうせ数日後からは嫌というほど走れますので。
2023年大会では、私たちは「観光より完走」をテーマに、スタート前の日々は体力の温存を優先して過ごしました。
とはいえ観光ゼロというのも味気ない。そこで、体内時計の補正も兼ねて、「電車で」パリ観光を軽く楽しみました。
この時、パリのあまりの暑さに驚いて半袖ジャージを買う決心を固めました。寒くなる予定で長袖ジャージばかりを持ってきていましたが、今年のパリは異常気象。それを肌で経験するのにも軽い観光は役に立ってくれた気がします。
軽く自転車に乗っておく
スタート前にガッツリライドはオススメしませんが、軽く乗っておいたほうが良いと思います。
機材コンディションの確認
最大の理由は、機材のコンディション確認です。
飛行機輪行ではステムやハンドルを外したり、ディレイラーを外すこともあります。再度組み付けた後にちゃんと動くかを一度実走で確認したほうが良いでしょう。
飛行機輪行でチェーンリングが割れた…?アウターが使えない。これは困る pic.twitter.com/S6NZEEOMcA
— さかき (@sakaki041) August 18, 2023
また、飛行機輪行で自転車が思わぬダメージを受けていることもあります。目視で分かる故障もありますが、走って初めて分かる故障もありますので、やはり走って確認したほうが良いと思います。
現地の交通ルールを肌で覚える
もう一つの理由は、現地の交通ルールを肌で覚えることです。
フランスは右側通行の国です。頭の中を右側通行モードに切り替える必要があります。私はフランスではバーエンドのミラーを左側に付け替えます。
その他の交通ルールも日本とは異なる点が多いため、実際にPBPを走る前にフランスの路上を体験しておいたほうが良いでしょう。

日本とフランスの交通ルールの違いや標識についてはこちらの記事にまとめています。
意識してカロリーを摂取する
フランスでは何をするにも言葉の壁があります。それは生きるために必要な食料の入手でも同様です。
日本では一言も話さなくてもコンビニやスーパーで食べ物を入手できますが、慣習の違う異国の地で食べ物を手に入れるのにはちょっとしたハードルがあるわけです。
また、フランスの商店は日本に比べると営業時間も短く(20時にはほぼ全ての店が閉まる)、週末はそもそも開かないことも多いです。深夜でも買い物ができる日本のコンビニの有り難さを思い知ります。
食べることが大好きな私ですが、フランスでは油断すると食事が億劫になって、知らず知らずのうちにカロリー不足に陥っていることが多かったです。意志を持って店に行き、意識的にカロリーを摂取するようにして下さい。
スタート前にカロリーが足りていないと、スタート直後に体が動かなくなります。スタート前に食べたものが序盤を戦うエネルギーになるので非常に重要です。
カルフールはセルフレジがあり、言葉を全く発さなくても買い物が完結するので便利でした。
マクドナルドもタッチパネルの注文装置があり、注文から会計まで(要クレジットカード)ここで完結します。あとは左にある番号札を持ってテーブルで待っていれば食べ物が運ばれてきます。写真は日本のタッチパネル注文装置ですが、フランスでもほぼ同じものが置かれています。
夜間の冷えに注意する
後述しますが、フランスの夏は昼夜の気温差が20℃前後になります。昼間は暑くても、夜中は一桁気温になることがあります。
ホテルによっては壁や窓の断熱性が低く、夜中はかなり寒くなることも。これによってスタート前にお腹を壊したり内臓の調子を落としたりすることがよくあるので、夜はしっかり布団をかぶって眠りましょう。そして、エアコンがちゃんと付いているホテルを選びましょう。夏でも暖房が欲しくなることもあります。
なお、2023年のフランスは夜中も暑くて、冷房を掛けて寝ていました。こんなことは中々無いのですが。
長時間寝る
長時間のフライト疲れを取るのに手っ取り早く効果的なのは「寝る」ことです。
せっかくのフランス、観光やレストランでの食事を楽しみたいのも分かりますが、1日8時間以上の睡眠時間は是非確保してください。
事前受付と参加準備を行う
スタート前日、または前々日に事前受付を行う必要があります。

前日受付の内容についてはこちらの記事にまとめました。
天気予報を確認する
走行中の天気予報(5日分)を確認し、ウェアや泥除けの最終仕様を決定します。
おすすめの天気予報アプリは「EpicRideWeather」です。ルートデータと平均時速を入力すると、時系列で天気予報を出してくれます。4年後もサービスが存在しているかは分かりませんが。
2023年大会の前日時点での天気予報はこんな感じでした。
最高気温は30℃前後の予想ということで、ウェアは半袖ジャージをメインに据える方針に変更。夜間の冷え込みも13℃までということで、本格的な防寒具は不要そう。雨も降らない予報だったので、前側の泥除けだけ残して後側の泥除けは外しました。一応、防寒具を兼ねてレインジャケットはサドルバッグに入れて持ち歩く想定でした。