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「例のポンプ」一族のスペック比較レビュー
まずは、「例のポンプ」一族をスペック面から比較してみたいと思います。
スペック比較
当サイトでは、例のポンプ一族に該当する携帯ポンプを10本以上レビューしてきました。

その中から、代表的な6本をスペックの面から比較してみようと思います。対象製品は以下です。
② Gyue 携帯ポンプ (ミニ・例のポンプ)
③ Oture 携帯ポンプ カーボン (ミニ・例のポンプ カーボン)
④ TOPEAK ROADIE TT
⑤ TOPEAK ROADIE TT mini
⑥ Panaracer ワンタッチミニポンプ BMP-23AEZ
早速ですが、スペック比較表を示します。
以下、各スペック項目について説明していきます。
対応バルブ
スポーツ向け自転車のバルブは、「仏式」「米式」のどちらかであることが多いものです。ロードバイクは大半が仏式。
例のポンプ一族の大半は「仏式」「米式」の両方のバルブに対応した口金を備えていますが、TOPEAKだけは「ROADIE」の名の通り、ロードバイクに多い仏式バルブのみに機能を絞っています。
ロードバイクに乗る限りにおいては仏式のみに対応した口金で困ることはないんですが、「お助けチューブ」等の補助チューブは米式の口金を前提としている製品が大半です。そのため、仏式口金しか持たないポンプは補助チューブの選択肢が狭まることに注意が必要です。補助チューブを使わない人には特に関係しません。
ロック方式
ポンプの口金を、チューブに取り付けた時に空気が漏れないようにする、ロック方式の区分です。通常は、「レバー式」「ネジ込み式」の2種類に分類されます。
レバー式

まずはレバー式。バルブに口金を差し込み、レバーを起こすことでロックされます。初代・例のポンプや、ROADIE TTはこちらの方式。
例のポンプ一族以外の多くの携帯ポンプでもレバー式のロックは採用されていますが、特に例のポンプ一族のロック機構はしっかりしている気がします。多少荒めにポンピングしても空気が漏れたことがありません。
ネジ込み式

次にネジ込み式。口金にネジが切られており、バルブに切られたネジを使って固定する方法です。確実に固定出来るのが魅力。
ただ、取り外す際にバルブコアを外してしまい、せっかく入れた空気が水の泡になってしまうこともあります。
ワンタッチ口金

Panaracerオリジナルのロック方式がこちら。
ワンタッチ口金というオリジナルの口金を採用しています。固定も確実、ズレることもないので、なかなか便利な方式です。
実測重量
読んで字のごとく、私が現物を測定した重量です。ブラケット等は含まず、本体のみの重量です。
例のポンプ構造はシリンダーを二重にする必要があるので、通常の携帯ポンプよりも重くなる(同じ長さならば+20g程度)ことに注意が必要です。ポンピングの軽さと本体重量がトレードオフになっていると考えて頂ければ良いと思います。
全長
長辺の長さです。持ち運びやすさに関係します。

ツール缶に入れる場合、180mmが一つの境界です。通常サイズのツール缶だと、180mmを超える場合は格納が難しくなります。
最大気圧
携帯ポンプの最大気圧はほぼ「ご参考」です。あまり当てになりません。大抵の携帯ポンプはスペック上の最大気圧まで入れることは出来ません。筋肉が音を上げます。
一方、ここに挙げた製品は、どれも普通の人の筋力で8気圧程度までは入ります。サイズが小さいほど1回のポンピングで入る空気が少ないため、回数は掛かりますが。
シリンダー素材
携帯ポンプのシリンダーは、ほぼアルミ製です。
今回挙げた中で1本だけ、「Oture 携帯ポンプ カーボン」だけは、外側のシリンダーがカーボン製となっています。優位な点は、5gほど軽くなることくらいです。
シリンダー径
普通はあまりポンプの太さなんて気にしないものですが、例のポンプ一族においてはこのシリンダーの太さが大変重要です。

外側のシリンダーと内側のシリンダーの太さの比率が性能を決めているようなのです。

「初代・例のポンプ」の「外側22.0mm」「内側11.8mm」が黄金比のようで、それとは違う比率となっている上記ポンプは、構造こそ「例のポンプ」と同じですが、性能はかなり低かったです。

TOPEAK ROADIE TT(写真右)は、その黄金比を外して「外側22.8mm」「内側14.9mm」という太さにしてきました。比較表を見てもらえると分かる通り、性能は「初代・例のポンプ」を上回るものとなっていました。押し込む時に必要な力も、ROADIE TTのほうが小さいと思います。新たなる黄金比をTOPEAKが探しだしたのでしょう。
注油
例のポンプ一族が変わっていたのは、「定期的な注油を必要とする」ポンプだったということでしょう。

説明書にも「3ヶ月に一回注油せよ」という指示があります。
分解してみると、パッキンの弾力を保つためにオイルが必要となっていました。オイルが乾いてしまうと、パッキンが劣化します。スムーズに動かなくなるだけではなく、そもそも空気が入らなくなってしまうんですね。

こちらの記事でも書きましたが、例のポンプ一族には「注油が必要」「各部のネジが緩みやすい」という欠点がありました。特に、ポンプをフレームに外付けしていると、オイルが乾くまでの時間も早くなるはず。そのため、「いざ使おうと思ったら使えない」なんて話も聞かれました。
しかし、後発組である「TOPEAK ROADIE TT」「Panaracer ワンタッチミニポンプ」は、その弱点を潰してきていました。
注油は必要なくなり、各部のネジもしっかりと締められています。おそらくネジロック剤が塗ってありますね。さすがメジャーメーカー、起きそうなトラブルを先回りして防止しています。
補助チューブ対応

トライスポーツのお助けチューブのように、携帯ポンプに後付出来る補助チューブは、前述のように米式口金を前提にしているものが大半です。
仏式口金を前提としているのは、上記の2製品くらいのもの。TOPEAK ROADIE TTは、仏式口金のみなのでコレらの補助チューブしか使えません。

Panaracerの場合は最初から一体型のチューブ付きとなっています。
ヘッド飛び出し防止機構

「TOPEAK ROADIE TT」「Panaracer ワンタッチミニポンプ」は、ヘッドが伸びてこないようにロックするための機構が付いています。
ツール缶に入れる場合には不要な機能ですが、外付けする場合には必要な機能です。「初代・例のポンプ」や「ミニ・例のポンプ」にはこうしたヘッドのロック機構が無いため、勝手にヘッドが飛び出してくることがありました。
販売開始時期・販売状況
「初代・例のポンプ」「ミニ・例のポンプ」は2021年6月現在は販売されていません。その他の4本は販売中です。
税込定価
中華製品は定価があってないようなものなので、私が購入した際の価格を記載しています。
TOPEAK・Panaracerはメーカーが発表している定価です。やはり大手メーカー品は値段がそれなりにしますが、その分品質は高いと感じます。不良品などのチェックもしっかりされているのでしょう。
空気圧
携帯ポンプにとっていちばん大切な性能は、チューブに空気を送り込む能力です。
Vittoria Rubino Pro Speed(25C)タイヤを、内幅15mmのリムに取り付けてポンピングを実施。200回時点と300回時点での空気圧を測定しました。300回×6本=1800回のポンピングで腕はパンパンになりました……。
空気圧の測定は、Panaracerのデジタル空気圧計を用いて行いました。
やはり、長ければ長いほど1回のポンピングで入る空気量が増えるので、効率が良いですね。ほぼ同じ長さの「初代・例のポンプ」と「ROADIE TT」の性能差にも注目。こちらはシリンダーの太さの比率を替えた影響だと思われます。

なお、「例のポンプ一族」は、「引き切る」「押し切る」を徹底しないと、せっかくの性能を発揮できません。上記の記事にコツが書いてあるので読んでみて下さい。





